「塩」それはあらゆる料理に必要不可欠な調味料でありますが、また塩は、日本古来より「お清め」の神事にも欠かせないものでありました。現在でも、塩を撒いて土俵を清める力士を見るたび、相撲が「神事」であることを改めて感じさせてくれます。そして「盛り塩」と言えば、料理屋の玄関先やスナックの入り口の両脇に盛られている、あの塩のこと。辞書で調べると「門口を清め、縁起を祝うために塩を盛ること云々~」とあり、別名「清め塩」とも「盛り花」とも言うそうです。ところがこの盛り塩、その由来は「お清め」でも何でもない、少々艶めかしい話からその端を発しているのです。
ときは中国、秦の時代。中国全土を支配した始皇帝には、それは沢山のお妾さんがいました。楊貴妃のような超ベッピンさんから、少々アウトレットな顔立ちのひと、細め、太め、ロリータから熟女まで、多種雑多なお妾さんが、“始皇帝お妾さんリスト”に登録されていました。そのお妾さんたちは、後の日本の“大奥”のように殿中の同じ屋根の下で共同生活をするのではなく、広大な宮中内のそれぞれの部屋(家)で暮らしておりました。お妾さんたちは「皇帝の寵愛を何とか自分のものにしたい」という思いで必死でした。いつ自分のところへ皇帝が現れてもいいように、来る日も来る日も美しく着飾り、勝負パンツを履き(?)、万全の体制で皇帝を待っていました。皇帝といえば悠長なもので、お妾さん宅へは
…という話が「盛り塩」の由来と云われています。どうぞ読者の貴兄、盛り塩のあるスナックでママを口説くときの話のタネにでもして下さい。ただし、そのママからの寵愛を一身に集めることができるか否かは、貴兄のウデ次第ですが…。また、飲み屋へは皆さん牛車で行くといいですね(そんな車、どこで売っとるんかい!)。しかも歓楽街には「牛車以外乗り入れ禁止地区」という条例ができればさらに面白いですね。飲酒運転撲滅の一助にもなりますし、時速3kmという“牛歩”では交通事故の起きようもありません。そして何と言っても、夜の歓楽街のあちこちに、塩を舐めるウシと牛車がある風景は壮観です。