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第百三十五話 初代熱風録エピソード3

 五穀神社前の大砲ラーメン本店は、僕の両親が長い屋台時代を経て、昭和42年にようやく出した最初の店舗です。以来40数年に亘り、建て替えや改装を繰り返して現在に至っております。いまでこそ3階建てのビルになっておりますが、最初は木造モルタルの2階屋でした。現在の店前の狭い駐車場が当時の店舗で、その後ろにくっつくように建っていた2階屋が僕たち家族の住む家でした。その家には沢山の思い出があります。その家に住んだ時間よりも、そこを出てからの時間のほうが遙かに長いのですが、いまでも夢に出てくる家はその家だけです。やはり成長期に住んだ家というものは、思い出の中に深くすり込まれるのでしょう。今回そのころの思い出話をひとつ。
 それは僕が受験を控えた中学3年生のころ。当時2階の僕の部屋は、お勉強がとってもキライなお友達の集会場でした。日が暮れるころになると、どこからともなく、ひとり、ふたりとそんなお友達が現れ、夜には6畳の部屋は、そんなお友達でいっぱいでした。同時に部屋は煙でいっぱい。僕が学校から帰ると、もうすでに何人か勝手に上がり込んでいてタバコをプカプカやっている(もう時効ということでご勘弁を)というようなことも日常的でした。両親は下の店で商売に一生懸命で、バカ息子のことなど構うヒマなどありません。したがって、自然にそんな場所にはそんな連中が集まるようになります。集会場というより不良の溜まり場、またはワルの巣窟状態の僕の部屋でした。そんなある日、どこから情報を得たのか、学校の進路指導のコワイ先生が僕の部屋に目を付け、物陰から僕の家を監視していました。いわゆるハリコミです。先生は僕の家に吸い込まれるように入っていく生徒の名を手帳に書き始めました(まるでテレビのドキュメントそのもの)。と、そのとき!僕の家から女のけたたましい叫び声が!

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